補助金News #1 令和6年度補正予算で分かったこと
こんにちは、福岡で中小企業診断士として活動している田中きょういちと申します。補助金関連のニュースリリースがありましたら、できるだけ早くブログで内容をお知らせしたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
中小企業庁から、「中小企業対策関連予算案 中小企業・小規模事業者関連ポイント」がリリースされましたので、概要をお知らせします。来年度の補助金について、全体像を理解する一助になればと思います。定番補助金もあれば、二つの新補助金も誕生しました。新補助金は、太字で表示しました。
12月17日に補正予算が可決、成立しました。今後2025年以降の補助金について、詳細が判明しましたら、逐次情報を発信いたします。
目次
生産性向上支援の拡充
- ものづくり補助金
- IT導入補助金
- 持続化補助金
- 事業承継・M&A補助金
以上の補助金について、措置拡充が実施されました。
- 最低賃金近傍の事業者に対する支援として、補助率を1/2→2/3に引上げ(ものづくり補助金、I T導入補助金)
- 設備投資や取引実態等に合わせ、補助上限・枠・要件見直し(ものづくり補助金、IT導入補助金、 持続化補助金、事業承継・M&A補助金等)
より使い勝手のよい、政策効果の高い支援制度に見直しも実施されました。
(ものづくり補助金)
製品・サービス高付加価値化枠について、従業員区分を見直し、21人以上の中小企業を対象に、補助上限を引上げ
賃上げ動向を踏まえ、賃上げ要件、運用等を見直し など
(IT導入補助金)
セキュリティ枠の補助上限引上げ・要件見直し、汎用ツール・導入後支援の補助対象化 など
(小規模事業者持続化補助金)
経営計画の策定に重点化し、枠の整理等、制度を簡素化(通常枠、創業枠等に再編等)
(事業承継・M&A補助金)
PMIを後押しするためのPMI推進枠の創設や、早期承継促進のための枠再編(事業承継促進枠への改変等)、 M&Aのトラブル防止に資するDD費用の支援拡充や100億企業創出加速化を図るための補助上限の引上げ
新事業への進出にかかる支援の推進(新事業進出補助金の創設) 【既存基金の活用 (1,500億円規模)】
中小企業・小規模事業者の成長につながる新事業進出・事業転換を重点的に支援するための新たな 支援措置を創設
要 件 :企業の成長・拡大に向けた新規事業への挑戦(新規性)や賃金要件等
補助対象経費:建物費・機械装置費・システム構築費・技術導入費・専門家経費 等
- 補助上限額 最大4,000万円
- 補助率 1/2~2/3
成長支援の新設・強化
中小企業成長加速化補助金の創設【3,400億円(生産性革命推進事業)の内数】
意欲ある中小企業・小規模事業者の飛躍的成長を実現するため、売上高100億円を目指す中小 企業等への設備投資や中小機構による多様な経営課題(M&A・海外展開・人材育成等)への支援等を創設
要 件 :売上100億円を目指すビジョン・潜在力、賃金要件 等
補助対象経費:建物費・機械装置費・ソフトウェア費・外注費・専門家経費
省力化投資支援の運用改善
オーダーメイド形式も幅広く対象となる省力化投資支援の新設、カタログ形式の省力化投資支援の 運用改善など、全方位型の省力化投資支援へ再編【既存基金の活用(3,000億円規模)】
その他
以下の補正予算が組まれています
- 価格転嫁対策の強化
- 資金繰り支援、経営改善・事業再生・再チャレンジ支援
- 中小企業・小規模事業者活性化(相談体制強化等)
- 災害からの復旧・復興
出典 令和6年度補正予算案(中小企業・小規模事業者関連予算案)中小企業庁
ものづくり補助金、IT導入補助金、持続化補助金、事業承継・M&A補助金は、継続されましたね。また、事業再構築補助金の後継となる新事業進出補助金にも注目です。既存基金を転用し、1,500億円規模となっています。
補助金の導入をお考えの企業様は、早めにご準備を。
なお、「事業承継・M&A補助金」のところにPMIとDDという用語が出てきますが、PMIとはポスト・マージャー・インテグレーションの事で、M&Aの効果を最大化するための統合プロセスを意味します。DDとはデューデリジェンスの事で、投資や買収を行う前に対象企業を調査・分析を行う事です。どちらもM&Aを成功させるための重要なプロセスです。