補助金News #6 新事業進出補助金の令和6年12月チラシと令和7年1月事業再構築補助金第13回公募チラシに見る両制度の違いについて
こんにちは、福岡で中小企業診断士として活動している田中きょういちと申します。補助金関連のニュースリリースがありましたら、できるだけ早くブログで内容をお知らせしたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
中小企業庁から、令和6年12月に新事業進出補助金のチラシがリリースされました。また令和7年1月に事業進出補助金の第13回公募のチラシがリリースされました。新事業進出補助金は事業再構築補助金の後継と言われておりますので、この二つのチラシから両制度の主な相違点を確認します。
対象となる事業
事業再構築補助金(13回公募):
新市場進出、事業・業種転換、事業再編⼜はこれらの取組を通じた規模の拡⼤等、思い切った事業再構築に意欲を有する、中⼩企業等の挑戦を⽀援
新事業進出補助金:
既存の事業とは異なる、新市場・高付加価値事業への進出にかかる設備投資等を支援
【活用イメージ】
- 機械加工業でのノウハウを活かして、新たに半導体製造装置部品の製造に挑戦
- 医療機器製造の技術を活かして蒸留所を建設し、ウイスキー製造業に進出
事業者にとって新製品(又は新サービス)を新規顧客に提供する新たな挑戦であることが、基本要件となります。
補助金の額と条件
24年12月時点の新事業進出補助金チラシと事業再構築補助金(13回公募)チラシのそれぞれの項目
事業再構築補助金(13回公募) | 新事業進出補助金 |
成長分野進出枠(通常類型) | 補助事業概要 |
成長分野進出枠(GX進出類型) | |
コロナ回復加速化枠(最低賃金類型) |
事業再構築補助金(13回公募):
事業類型によって、補助上限額と補助率が異なります。
〇成長分野進出枠(通常類型)
- ポストコロナに対応した、成⻑分野への⼤胆な事業再構築にこれから取り組む事業者向け
- 国内市場縮小等の構造的な課題に直⾯している業種・ 業態の事業者向け
<補助上限額>
【従業員数20⼈以下】 1,500万円(※2,000万円)
【従業員数21〜50⼈】 3,000万円(※4,000万円)
【従業員数51〜100⼈】 4,000万円(※5,000万円)
【従業員数101⼈以上】 6,000万円(※7,000万円)
(⼀部廃業を伴う場合2,000万円上乗せ) ※短期に大規模な賃上げを⾏う場合
<補助率>
中小1/2(※2/3)
中堅1/3(※1/2)
※短期に⼤規模な 賃上げを⾏う場合
〇成長分野進出枠(GX進出類型)
ポストコロナに対応した、グリーン成長戦略「実行計画」14分野の課題の解決に資する取組をこれから行うへの⼤胆な事業再構築にこれから取り組む事業者向け
<補助上限額>
・中小
【従業員数20⼈以下】 3,000万円(※4,000万円)
【従業員数21〜50⼈】 5,000万円(※6,000万円)
【従業員数51〜100⼈】 7,000万円(※8,000万円)
【従業員数101⼈以上】 8,000万円(※1億円)
・中堅 1億円(※1.5億円)
※短期に⼤規模な 賃上げを⾏う場合
<補助率>
中小1/2(※2/3)
中堅1/3(※1/2)
※短期に⼤規模な 賃上げを⾏う場合
〇コロナ回復加速化枠(最低賃金類型)
コロナ禍が終息した今、最低賃金引上げの影響を大きく受ける事業者向け
<補助上限額>
【従業員数5⼈以下】 500万円
【従業員数6〜20⼈】 1,000万円
【従業員数21⼈以上】 1,500万円
<補助率>
中小3/4(※2/3)
中堅2/3(※1/2)
※コロナで抱えた債務の借り換えを行っていない者の場合
中小企業新事業進出補助金:2024年12月チラシ記載
<補助上限額>
【従業員数20⼈以下】 2,500万円(3,000万円)
【従業員数21〜50⼈】 4,000万円(5,000万円)
【従業員数51〜100⼈】 5,500万円(7,000万円)
【従業員数101⼈以上】 7,000万円(9,000万円)
※補助下限750万円
※大幅賃上げ特例適用事業者(事業終了時点で①事業場内最低賃金+50円、②給与支給総額+6%を達成)の場合、補助上限額を上乗せ。(上記カッコ内の金額は特例適用後の上限額。)
<補助率> 1/2
基本要件
事業再構築補助金(13回公募):
① 事業再構築指針に示す「事業再構築」の定義に該当する事業であること
② 事業計画について金融機関等や認定経営革新等支援機関の確認を受けること
③ 補助事業終了後3〜5年で付加価値額の年平均成長率3〜4%(事業類型により異なる)以上増加、又は従業員一人当たり付加価値額の年平均成長率3〜4%(事業類型により異なる)以上増加の達成
新事業進出補助金:
中小企業等が、企業の成長・拡大に向けた新規事業(※)への挑戦を行い、
(※事業者にとって新製品(又は新サービス)を新規顧客に提供する新たな挑戦であること)
①付加価値額の年平均成長率が+4.0%以上増加
②1人あたり給与支給総額の年平均成長率が、事業実施都道府県における最低賃金の直近5年間の年平均成長率以上、又は給与支給総額の年平均成長率+2.5%以上増加
③事業所内最低賃金が事業実施都道府県における地域別最低賃金+30円以上の水準
④次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を公表等 の基本要件を全て満たす3~5年の事業計画に取り組むこと。
新事業進出補助金のチラシからは、「コロナ禍」というワードがなくなりました。さらに新規性や市場性が重視され、企業の成長戦略が重要視されます。